キズ(創傷)

キズ(創傷)とは

キズ(創傷)とは転んで擦りむいたり、包丁で手を切ってしまったりと日常生活でよくみられる皮膚の損傷です。

キズには出血や痛み、腫れ、熱感などの症状がみられ、通常は自然治癒力によって治るものですが、キズをきれいなキズアトにするためには早期に適切な治療を行い、少しでも早く治癒することが重要です。

キズには様々ありますが、主に切創(切りキズ)、擦過傷(すりキズ)、挫創/裂創(皮膚が裂けたキズ)、刺創(刺しキズ)、咬創(咬みキズ)などに分類されます。

キズ(創傷)とは

キズ(創傷)の種類

  • 切創(切りキズ)

    切創(切りキズ)

    切創(切りキズ)は、包丁やガラス片など鋭利なものによって切られた外傷のことです。切創は皮膚のみならず、皮下組織(筋肉、骨、内臓など)の損傷を伴うことがあります。

    傷口の大きさや深さ、出血量、感染の有無などによって異なりますが、基本的に洗浄、消毒、止血、傷口の保護や縫合などの処置を行います。

    適切な処置の有無によりキズアトの状態に影響しますので、早めの受診をおすすめします。

    切創(切りキズ)の治療方法

    切創は、傷口を縫合することで治癒期間を短縮しキズアトを目立たなくします。

    主に皮膚の深いところ(真皮部位)で吸収糸を用いて縫合する真皮縫合などを行います。キズの程度に応じて外用薬(軟膏)の塗布やテープでの固定などのアフターケアを行います。

  • 擦過傷(すりキズ)

    擦過傷(すりキズ)

    擦過傷(すりキズ)は、アスファルトや粗い地面などの硬い表面に擦りつけることによって皮膚が擦りむかれて生じるキズのことです。

    擦過傷は傷口が浅く出血も比較的少ないため、単なるすりキズで病院にかかるなんてと放置される方が多い印象です。

    「キズアトを理想的にする、できる限り綺麗にする」ためには、いかに受傷後早期に創部の洗浄を行い適切な治療を開始するかにかかっています。

    放おっておくと傷口に微細な土砂やゴミなどが紛れ込み、治った後も皮膚の中に残ったままになる「外傷性刺青」になってしまう場合もあります。

    擦過傷(すりキズ)の治療方法

    砂やゴミが入ってしまっている場合は洗浄・ブラッシングなどで細かな異物まで十分に取り除きます。

    傷の程度により、外用薬の塗布や湿潤療法(キズを乾かさず傷の回復を助ける治療)を行います。

  • 挫創/裂創(皮膚が裂けたキズ)

    挫創/裂創(皮膚が裂けたキズ)

    挫創/裂創(皮膚が裂けたキズ)は、スポーツや交通事故など、身体を強い衝撃で何かにぶつけた際に、皮膚が挫滅を受けたり裂けたりすることで発生します。

    すりキズと同様、早期に洗浄を行い、必要に応じて壊死組織(潰れてダメになった組織)を除去し、多くは縫合を要します。どうしてもキズアトが目立ちやすくなります。

    損傷の程度により治癒に時間がかかる傷なので、傷口の深さや広がりによっては手術が必要な場合もあります。

    挫創/裂創(皮膚が裂けたキズ)の治療方法

    砂やゴミが入ってしまっている場合は洗浄・ブラッシングなどで細かな異物まで十分に取り除きます。

    可能であれば、縫合して治癒期間を短縮します。

    状態に応じて外用薬(軟膏)の塗布やテープ固定などのアフターケアを行います。

  • 刺創(刺しキズ)

    刺創(刺しキズ)

    刺創(刺しキズ)は、針や鉛筆の芯など鋭く尖った鋭利なものが刺さって生じるキズのことです。

    傷口が比較的小さいにも関わらず深部まで損傷されることが特徴です。

    また、刺さったものが折れたりすることでキズの中に残ってしまうと摘出が必要になる場合があります。

    刺創(刺しキズ)の治療方法

    深部組織の損傷具合を十分に確認します。内部の確認や異物除去のために皮膚切開を追加することもあります。

    深部損傷がなければ軟膏治療のみで軽快することが多いです。

  • 咬創(咬みキズ)

    咬創(咬みキズ)

    咬創(咬みキズ)は、人間や動物の歯で噛まれて生じるキズのことで、傷口が歯型になることが特徴です。刺創同様、傷口は小さいですが深部まで到達することが多いです。

    歯や牙には雑菌が多く存在しており、噛まれた際にキズから体内に押し込まれることで感染を起こしやすく、早期の感染予防が重要です。

    傷口を塞いでしまうと膿瘍(うみ)を形成したり感染を促してしまうため、開放創のままで治癒させることが基本となります。

    咬創(咬みキズ)の治療方法

    咬創の治療は主に、十分な洗浄、抗菌薬の投与や破傷風の予防注射などの感染予防を重点的に行います。

    歯や牙の傷口は小さい為、処置をする際に傷口を切開・拡大する場合もあります。

    傷口を閉じてしまうと膿瘍(うみ)を形成してしまうことがあるので縫合はせずに治癒させます。

縫合について

縫合の目的は、創部を固定して早期の創治癒を目指すことにあります。「縫合したら汚いキズアトになるのでは」と心配される方がおられますが、形成外科医が縫合する場合、縫合したがためにキズアトがより汚くなる事はほとんどありません。また縫合をした方が日常管理が楽になることが多いです。